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県内初、所沢市・日本光電・早稲田大学、産学官包括協定締結で健康推進施策を展開

1 健康推進のための産学官包括協定を締結

 所沢市は平成28年2月9日、日本光電工業株式会社・早稲田大学人間科学学術院・所沢市の三者が、産学官の連携のもと、「健康推進施策に関する包括協定」を2月15日に締結することを発表しました。

 これは、所沢市が目指す市民一人ひとりが健康を実感しながら地域で安心して生き生きとした生活を送ることのできる「健幸長寿のマチ所沢」の実現に向けた動きとのことです。

 日本光電株式会社は、今年所沢駅東口に技術開発センターを完成させる、昨年度の連結売上高が1600億円という大手医療機器メーカーです。また、早稲田大学人間科学学術院は、いわゆるジンカこと人間科学部とその院などを包含する早稲田大学の一部門です。

2 具体的な施策は今後展開

 プレス発表を読むと、「県内初」という折り込みと、相まってなんだかとてもすごいここであるような気もするのですが、このあたりはどうでしょう。

 新たに進出する医療メーカーと既存の健康に関わりの深い大学を結びつけ、相乗効果を市民に還元しようという考えはとても良いですよね。タイミングは、進出直前の今がまさにベストです。

 ただ、もしこの協定が理念的な意味合いにとどまってしまうと、イメージ戦略どまりとなり、ちょっと残念です。
 産学官の連携協定の事例は、実際これまでも他に結構あり、そのすべてが期待されている効果を生んでいるとも言い難いところがあります。
 個別具体的な実際の施策を展開するのはこれからですが、市民の健康を推進する施策にどのように落としこんでいき、成果を得るのか、とても気になるところです。

 安易な想像をするに、日本光電が無償貸与する医療機器で市民の健康チェックを行い、これをもとに人科で市民向け健康講座を開講するとか?ただこれだと当たり前すぎて、また広がりが今一つで寂しいような、ただこれでも一定の成果はだせるような。素人的には、もう少しワクワク感のある施策を期待してしまいます。

 また、今回の協定は、主に対市民の健康推進が主目的のようです。
願わくば、市内に多数集積する医療機関の機能をサポートできる施策をあわせて行えれば、市民の、健康のみならず所沢の産業としての医療を強くすることもできるのではないでしょうか。

3 持続的な効果をもたらす協定に

 一本の協定の締結で、その地域の健康施策が劇的に向上するほど世の中単純ではありませんが、数年後に市民が、確かにあの時のあの協定が所沢の健康施策に効果をもたらしており、それが他のまちにない強みの源泉の一つになっていると思えるとよいですね。

所沢:ところメモ miyamaezaka.jp


所沢中央病院(所沢駅東口)、病床数160床に倍増(その2)

 前回(その1)では、所沢中央病院の建て替えについて、医療体制充実の面をピックアップしました。今回(その2)では、まちづくりの面からみていきます。

1 所沢の道路交通スムーズ化のきっかけになるか

 所沢駅界隈の大きな課題として、「道路交通の貧弱さ」があります。

 所沢駅が西武池袋線と新宿線のジャンクションであることから、4方向から所沢駅に向かう線路により、各地域は関所のような踏切で分断されています。

そのため発生する道路渋滞や各地域の繋がりの弱さは、所沢の発展を阻害する主要因の一つといえるでしょう。

 この解決策として、計画(もしくは構想)されている道路が2本あります。1本目は、所沢駅の東口と西口をアンダーパスで結ぶ「所沢駅ふれあい通り線」。2本目は、所沢市北秋津地区土地区画整理事業とあわせて整備が予定されている、所沢駅東口の駅前通りを延長し、西武池袋線を交差して上安松方面を連絡する道路です。

2「ふれあい通り線」の起点は今回の病院前

 この2本の道路は、今回工事箇所に隣接するくすのき台交差点で交差します。

「ふれあい通り線」は、くすのき台交差点から西に、ドコモショップ前を抜ける道路を拡幅して作られる計画です。現在の所沢中央病院は、この拡幅線上にかかっているため、今回の隣接地の確保による新築・改築により、今後の整備に弾みがつくものと思われます。

 2路線が整備されれば、大踏切や所沢陸橋といった場所の渋滞が緩和され、市民の時間ロスによる経済的・機会的損失は低減されることになります。

 また、交差点に面する病院への救急搬送の迅速化により、病院機能を最大限活かすことができるでしょう。

 すべてが整備されるまでには一定の時間が必要かと思われますが、迅速な整備をのぞみたいところです。

3 所沢駅東口には医療施設が集積

 所沢の強みの一つは、前回(その1)で取り上げたとおり、医療体制の充実です。

 医療体制をさらに充実していくことは、まちにとって少なくとも3つの効果があります。1つ目は、これに魅力を感じる新たな住民を強く誘因する効果。2つ目は雇用の追加創出効果。3つ目は周辺地域からの「集客」効果です。

 特に今後の超高齢化社会では、商業施設以上に医療系施設が、まちに人を集めるきっかけになると思われます。
 所沢駅東口には、タイミングよく平成28年(2016年)春に大手医療機器メーカーである日本光電の技術研究所の移転が決まっています。

 さらに当該地域に医療関連事業所の集積を図ることで、例えば市内病院と日本光電の連携による先進機器の開発など、所沢全体に集積効果が流れるしくみがつくれればおもしろいですね。

所沢の開発計画まとめ(年度別)

所沢:ところメモ miyamaezaka.jp


所沢中央病院(所沢駅東口)、病床数160床に倍増(その1)

1 新病棟の工事が本格的に始まりました

 所沢駅東口の所沢中央病院(北秋津753ー2)の新築工事が、この3月から本格的に始まっています。

 かつて市民ギャラリーがあった旧市有地での工事は、今年度末の平成28年3月末日に、地上5階建、建築面積900平米、延床面積4,110平米の新病棟が竣工予定です。その後平成29年4月に、病床数を160床に倍増させる予定です。

 このプロジェクトは、所沢市の強みである医療体制のさらなる充実、所沢駅東口の拠点化および交通インフラの整備、の3点から重要な案件といえます。

2 所沢中央病院とは

 所沢中央病院は、所沢駅東口ができる以前の昭和39年から続く病院です。平成5年に現在の医療法人社団和風会に運営が引き継がれ、今に至ります。
所沢中央病院

 現在は、内科・消化器科・循環器科・外科・整形外科・乳腺外科 脳神経外科・眼科・放射線科・リハビリテーション科の10科を有する急性期総合病院です。

 そしてなによりの特色は、救急搬送の受け入れでしょう。、平成24年実績では、市内医療機関への救急搬送1万992件のうち3,228件、全体の29.4%を受け入れており、市内の医療機関では最も多い実績があり、地域の有力な2次救急指定病院となっています。

 ただ、残念なのは、いかんせん開院当初からの建物であるため、建物にがたが来ていることでしょうか。はやっているだけに廊下の狭さなどは如何ともしようもなく、患者の待合と諸々の動線が交錯して、かなり混沌としたことになっています。

 開院当初の所沢駅東口界隈の空撮、写真中央赤丸部分に現在と同じ所沢中央病院の建物が見える(提供:国土地理院[昭和50年1月12日撮影])
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3 所沢市の医療体制の状況は?

 所沢市内には公系の大病院が多く立地しています。航空公園の防衛医科大学校病院は病床数800の特定機能病院です。このほか狭山ヶ丘の西埼玉中央病院があり、病床数は325床です。また国立障害者リハビリテーションセンターも病床数200床の病院です。

 日本医師会が提供する地域医療情報システムによれば、平成26年7月時点の所沢市の病院病床数は4,218床です。人口10万人あたりの病床数にすると1,234床であり、これは埼玉県平均の863床の1.5倍近く、また東京都平均の961床と比べても1.3倍近い数値になります。

 所沢市の医療体制は、他都市と病床数で比較した場合、現時点でもかなり充実したものであることがわかります。
地域医療情報システム(日本医師会)

4 リニューアル後に160床に増床しても病院の性格は変わらない

 所沢中央病院は、新病棟を今年度末に新築した後、現在の病棟を改築し、平成29年4月から160床態勢になる予定です。

 病院の規模は、200床以上かそれ未満かでざっくりと高度な専門医療を指向するか地域医療を指向するかという位置づけが変わります(医療法の平成4年改正後、200床以上の病院にかかる場合、他の医療機関の紹介状がないと負担金を支払う必要がでました。)。

 今回のリニューアル後でも、病床数は200床を超えないので、身近な総合病院という性格は変わらず、患者にとっては安心です。

5 医療拠点の集積は所沢の強み

 今回の増床分80床を、前段の平成26年7月時点病床数4,218床に単純に加えた場合、人口10万人あたり病床数は1,257床となり、所沢市はさらなる病床数の集積が図られます。

 医療体制の充実は、街の魅力を高める要素として非常に大きなものの一つです。
 所沢市という都市の強み・売りの主軸として、今後も積極的に医療体制の充実に取り組むとともに、この点をもっとアピールしても良いものではないでしょうか。

 次回(その2)は、所沢駅周辺のまちづくりへの影響などについてです。

所沢の開発計画まとめ(年度別)

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