所沢警察署の建替計画進む。2019年度完成予定(SRC造5階建延床7,900㎡)

1 所沢警察署新築工事の設計業者が決定しました

 平成27年5月27日(水)に、埼玉県が公告した「所沢警察署庁舎新築工事設計業務」の一般競争の開札が行われ設計業者が決定しました。これにより、構造上の課題を抱えた所沢警察署(並木1-6-1)の改築計画が本格的に進みだすことになります。

 新庁舎は、SRC造5階で建て延べ7,900平方メートルの規模となり、平成28年度から工事を開始し31年度に竣工の模様です。

2 これまでの経緯は?

 もともと元町の坂の上にあった所沢警察署が現在の場所に移転したのは、昭和55年のことです。現在の建物は、この時に建てられたものであることから、今年で35年目ということになります。


 平成18年には、県議会で所沢警察署の狭あい化解消に関する質疑があり、当面は事務室のレイアウト配置等の見直しで対応するものの、将来の建て替えに向けて隣接するさいたま地方法務局所沢市局の跡地(並木1-5および1-6-2)の払い下げ交渉について今後検討する、との見解がだされています。なおこの土地については、平成20年度に国から払い下げを受けており、現在は第2駐車場として利用されています。

3 建て替えのねらいは?

 埼玉県の平成27年度予算見積調書では、今回の建設計画の理由を大きく2つあげています。1つ目は経緯でもふれた狭あい化、2つ目は耐震上の理由です。

 狭あい化については、まず来庁者に必要なスペースが足りてないことがあります。これは、免許更新等で警察署に足を運ばれたことがある方は感じているところかと思います。また、勤務する署員にとっても、平成18年時点で昭和55年比1.3倍の署員配置となっていたようですので、現在ではさらに窮屈になっているものと思われます。

 しかしながら狭あい化の問題は、今後の日本の人口動向を考えると、所沢署管内で人口増に伴う劇的な業務量増が見込まれるとは考えにくく、なんとかやりくりができるように思われます。

4 耐震上の課題

 むしろ建て替えの主たる理由は、2つ目の耐震問題と思われます。
 先の調書によれば、現庁舎の構造耐震指標(IS値)は0.4とのことです。
 国は、IS値により建物の危険性を以下の3つに区分しています。
•(1) Isが0.3未満の場合又はqが0.5未満の場合
 地震の震動及び衝撃にたいして倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。
•(2) (1)及び(3)以外の場合
 地震の震動及び衝撃にたいして倒壊し、又は崩壊する危険性がある。
•(3) Isが0.6以上の場合かつqが1.0以上の場合
 地震の震動及び衝撃にたいして倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。

 IS値0.4の現庁舎は、(2)に当てはまるため、場合によっては大震災で倒壊してしまうというリスキーな状態にあるということになります。
 市民の安全を確保する警察署が倒壊してしまう事態は、どうしても避けたいところです。

5 バリアフリーへの配慮も

 その他、調書に記載はありませんでしたが、エントランスや免許更新の講義室に至る動線を経験した身としては、現在の建物はバリアフリーの観点からも大きな課題を抱えていると思われます。あわせてこの部分の改善も望みたいところです。

6 警察署の建て替えに期待すること

 平穏に暮らしていれば、私たち市民にとっては免許更新や車庫証明くらいでしかお世話にならない建物です。一方でこの建物は、平穏な暮らしを支えている警察署員の拠点でもあります。市民の安全・安心な暮らしをより一層支えるための十分な機能を備えるとともに、署員の士気が高まる建物となればと思います。

 建物の外観は、ミューズに合わせレンガ調に新築した法務局と同様の雰囲気となれば、周囲の街並みが調和した良さげな一角になると思いますが、いかがでしょう。

→埼玉県平成27年度予算見積調査

所沢の再開発計画まとめ(年度別)

所沢:ところメモ miyamaezaka.jp