1 新病棟の工事が本格的に始まりました
所沢駅東口の所沢中央病院(北秋津753ー2)の新築工事が、この3月から本格的に始まっています。
かつて市民ギャラリーがあった旧市有地での工事は、今年度末の平成28年3月末日に、地上5階建、建築面積900平米、延床面積4,110平米の新病棟が竣工予定です。その後平成29年4月に、病床数を160床に倍増させる予定です。
このプロジェクトは、所沢市の強みである医療体制のさらなる充実、所沢駅東口の拠点化および交通インフラの整備、の3点から重要な案件といえます。
2 所沢中央病院とは
所沢中央病院は、所沢駅東口ができる以前の昭和39年から続く病院です。平成5年に現在の医療法人社団和風会に運営が引き継がれ、今に至ります。
→所沢中央病院
現在は、内科・消化器科・循環器科・外科・整形外科・乳腺外科 脳神経外科・眼科・放射線科・リハビリテーション科の10科を有する急性期総合病院です。
そしてなによりの特色は、救急搬送の受け入れでしょう。、平成24年実績では、市内医療機関への救急搬送1万992件のうち3,228件、全体の29.4%を受け入れており、市内の医療機関では最も多い実績があり、地域の有力な2次救急指定病院となっています。
ただ、残念なのは、いかんせん開院当初からの建物であるため、建物にがたが来ていることでしょうか。はやっているだけに廊下の狭さなどは如何ともしようもなく、患者の待合と諸々の動線が交錯して、かなり混沌としたことになっています。
開院当初の所沢駅東口界隈の空撮、写真中央赤丸部分に現在と同じ所沢中央病院の建物が見える(提供:国土地理院[昭和50年1月12日撮影])
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3 所沢市の医療体制の状況は?
所沢市内には公系の大病院が多く立地しています。航空公園の防衛医科大学校病院は病床数800の特定機能病院です。このほか狭山ヶ丘の西埼玉中央病院があり、病床数は325床です。また国立障害者リハビリテーションセンターも病床数200床の病院です。
日本医師会が提供する地域医療情報システムによれば、平成26年7月時点の所沢市の病院病床数は4,218床です。人口10万人あたりの病床数にすると1,234床であり、これは埼玉県平均の863床の1.5倍近く、また東京都平均の961床と比べても1.3倍近い数値になります。
所沢市の医療体制は、他都市と病床数で比較した場合、現時点でもかなり充実したものであることがわかります。
→地域医療情報システム(日本医師会)
4 リニューアル後に160床に増床しても病院の性格は変わらない
所沢中央病院は、新病棟を今年度末に新築した後、現在の病棟を改築し、平成29年4月から160床態勢になる予定です。
病院の規模は、200床以上かそれ未満かでざっくりと高度な専門医療を指向するか地域医療を指向するかという位置づけが変わります(医療法の平成4年改正後、200床以上の病院にかかる場合、他の医療機関の紹介状がないと負担金を支払う必要がでました。)。
今回のリニューアル後でも、病床数は200床を超えないので、身近な総合病院という性格は変わらず、患者にとっては安心です。
5 医療拠点の集積は所沢の強み
今回の増床分80床を、前段の平成26年7月時点病床数4,218床に単純に加えた場合、人口10万人あたり病床数は1,257床となり、所沢市はさらなる病床数の集積が図られます。
医療体制の充実は、街の魅力を高める要素として非常に大きなものの一つです。
所沢市という都市の強み・売りの主軸として、今後も積極的に医療体制の充実に取り組むとともに、この点をもっとアピールしても良いものではないでしょうか。
次回(その2)は、所沢駅周辺のまちづくりへの影響などについてです。
➡ 所沢の開発計画まとめ(年度別)
所沢:ところメモ miyamaezaka.jp