「ところバス」東村山市に乗り入れ、平成30年10月から

 全国で初めての、都県境を超えたコミュニティバス路線の延伸が実現しそうです。

1「ところバス」はコミュニティバス

 水色の車体にトコろんや飛行機のイラストのバス、市内で見かけるこのバスは「ところバス」。

 見かけるだけで利用したことのない市民も多くいそうな「ところバス」は、所沢市が西武バスに委託して運行しているコミュニティバス(市内循環バス)の愛称です。

 平成10年に運行が開始され、通常のバスが通らない地域を現在6コース体制で所沢駅、航空公園駅、小手指駅や東所沢駅などの市内鉄道全駅や市役所、病院などの各種施設を目指して走り、一日あたり平均1086人の利用があります(平成27年実績)。
 スイカ、パスモも利用できます。

① 東路線(柳瀬循環コース)
② 東路線(松井循環コース)
③ 西路線(新所沢・三ケ島コース)
④ 南路線(吾妻循環コース)
⑤ 南路線(山口循環コース)
⑥ 北路線(富岡循環コース)

2 東村山市からの乗り入れ要請

 この「ところバス」について、7月3日に閉会した平成29年第2回所沢市議会定例会では、「ところバスの近隣市への乗り入れについて 」という項目の一般質問がありました。

 質疑によると、平成29年4月17日付けで東村山市長から所沢市長あてに「ところバスの東村山市域への乗り入れについて」という協議がありました。
 具体的には「吾妻循環コース」の東村山市多摩湖町および巡田町へのバス停の設置が期待されているようです。
 東村山市にもグリーンバスという名称のコミュニティバスが運行されていますが、こちらの地域は既存の路線からずれてしまった地域となっています。

吾妻循環コース路線図(所沢市)

3 延伸の効果は

 今回の路線延伸がうまくいくと、まず今回対象地域の住民の利便性が向上します。加えて新たなバス利用者が所沢市内のお店を利用する機会が増えるため、経済効果が生まれそうです。

 また利用者が増えれば、現在約20%の収支率である「ところバス」の収支改善も見込めそうです。加えて東村山市から応分の負担が出れば、それもプラス要因です。

 民間の交通機関でペイしない事業を、社会福祉の観点から市が引き受けているため、持ち出しになるのは当然です。
 県内の他自治体と比較しても目立って悪い収支率ではありませんが、200円を得るのに1000円かかる状態が改善されればありがたいことです。

4 来年10月のダイヤ改正から延伸へ

 今後「所沢市地域公共交通会議」への諮問や東村山市との調整が予定通り進むと、5年に一度のダイヤ改正となる平成30年10月から延伸が実現しそうです。

ところバス(所沢市)
所沢市議会
所沢市における地域公共交通の方向性について(答申)平成29年1月30日